農業研修

おおかみの谷の宿 - Okami no Tani no Yado

久万高原町における就農とリソース

愛媛県久万高原町のアグリピア研修センターが提供する、次世代農業の担い手育成プログラムの客観的分析。

久万高原町の次世代農業を担う

私たちの活動拠点である久万高原町下畑野川では、地元の取り組みと緊密に連携しています。この山間地域における農業従事者の高齢化や後継者不足は深刻な課題です。これに応えるため、町は「久万農業公園アグリピア研修センター」を通じて、次世代の農業経営者(主に夏秋トマトの施設園芸栽培)を育成する本格的な実践研修制度を用意しています。ここでは、久万高原町での就農を検討される方向けに、この研修プログラムのメリットと課題(デメリット)を分かりやすく整理しました。カードをクリックして詳細をご確認ください。

メリット(Points Positifs)

充実した資金支援制度

資金支援

研修中の月額助成金(13万〜16万円)や家族手当の支給、就農時の機械・施設整備への最大700万円の補助金制度。

地域社会との強力な連携と協力

コミュニティ

農業公社による丁寧な住宅探し、地元農家やJAによる手厚い技術指導と生産支援のネットワーク。

経営者育成を見据えた総合カリキュラム

研修内容

2年間の温室栽培技術習得に加え、農業簿記、パソコン操作、流通実務など独立した農業経営に必要な基礎知識を網羅。

デメリット・挑戦(Défis)

夏の非常に過密な作業スケジュール

労働環境

収穫最盛期(7月〜10月)は毎朝4時30分起床での収穫作業、休日の確保が困難になる過密な日々。

高原特有の厳しい気候条件

気候条件

平均標高800mに位置するため冬季は積雪を伴う極寒の環境、夏季は温室内の高温環境での体力的負荷。

就農後5年間の町内活動義務

返還義務

各種補助金の受給条件として、研修修了後に久万高原町で5年以上の就農が義務付けられており、中断や離農時は全額返還。

上のメリット・デメリットのカードをクリックすると、対応する詳細情報と就農者の生の声が表示されます。

実習・研修施設のご案内

アグリピア内にある先進的な栽培実習温室と、経営能力を養う研修施設をご紹介します。

トマト養液栽培実習温室

トマト養液栽培実習温室

「どんぐりトマト」の杉皮培地養液栽培の実習を行っています。試験温室内での先進的な養液栽培により、ほぼ周年での安定収穫技術を実践的に学びます。

イチゴ養液栽培実習温室

イチゴ養液栽培実習温室

腰に負担の掛からない2段ベンチ方式の高設栽培システムを導入。現在は人気品種「さちのか」や愛媛生まれの「あまおとめ」の栽培管理を実習します。

花卉栽培実習温室

花卉栽培実習温室

鉢花や花壇用苗の生産実習を行うための温室です。現在は、地域向けの高品質な花壇苗を中心に、年間約12万ポットの花苗を計画的に生産する手法を学びます。

大玉トマト養液土耕温室

大玉トマト養液土耕温室

土壌の力を生かしつつ、水と液肥をコンピュータ制御で精密に供給する「養液土耕栽培」の実習温室。主力品目である夏秋大玉トマト栽培の核心技術を習得します。

農業簿記研修(パソコン実務)

農業簿記・パソコン研修室

栽培技術だけでなく、PCを用いた農業簿記の記帳、経営データの分析、流通・販売計画 of 策定など、自立した「農業経営者」として必須の事務・ITスキルを学びます。

就農研修の流れと年間スケジュール

前年の準備期から、2年間の研修期間、精度向上と独立就農に至るまでのステップです。

前年 8月

事前研修(1週間程度)

最も暑く、農作業が過密になる時期の体験が特にお勧めです。実際の農作業の厳しさとやりがい、高原の夏の気候を肌で実感してください。

前年 10月〜12月

研修申込 & 選考面接

必要書類を提出して正式に申し込みます。12月に選考面接を行い、合否は年内に決定・通知されます。

1月〜2月

移住準備・住居探し

久万高原町での生活開始に向け、住居探しを開始します。農業公社が研修生の希望を聞きながら、地域の優良な住宅物件探しを全面的にサポートします。

3月

引っ越し・就農地検討 & 事前準備

町内への引越しを完了。県農業指導班等の研修会に参加するほか、ハウス設置の段取りや土づくりなど事前準備作業を行います。※この準備作業に対しては賃金が支払われます。また、1年目から自身の就農地の具体的な検討を開始します。

4月 (研修開始)

栽培実習スタート

苗づくり(育苗管理)から本格的に始動。温室のビニール被覆、基肥施肥、畝立て(うねたて)作業のほか、トマト栽培に不可欠な接木(つぎき)講習会と接木作業を体験します。

接木作業の様子
5月〜6月

定植・生育管理と収穫開始

育った苗を畑(温室)に植える「定植」を行い、丁寧な手潅水を行います。生育状況に合わせて葉面散布、余分な芽を摘む「わき芽の除去」、果実数を調整する「摘果」を行います。果実の肥大開始と共に養液給液をスタート。早い温室では6月下旬から収穫が始まります。※2年目の研修生は、この時期までに自身の就農地(独立地)を確定し、そこに建設するハウス of 仕様検討を開始します。

手潅水の様子
7月〜8月

収穫・出荷の最盛期

JA出荷が本格化し、1年で最も忙しい最盛期を迎えます。収穫作業は原則晴天日の早朝に実施。下葉の整理や作物の成長に伴うつり下げ誘引など、夏のハウス内での暑い作業になります。各自こまめな水分補給と休憩を取りながら乗り切ります。

トマト収穫開始
9月〜10月

前半管理 & 堆肥づくり

秋 of 気温低下に対応した温度管理や、作物の成長を抑えて栄養を果実に集中させる「主枝の逆芯」など、収穫終盤の管理を続けます。10月には来年に備えて堆肥づくりも体験します。

11月

撤去・土づくり

すべての収穫を終了。役目を終えた株の片付け(残さ処理)、ハウスビニールの撤去を行い、来シーズンに向けた土づくりを丁寧に行います。※青いまま収穫した最後のトマトも、保存しておくことで美味しく頂けます。

12月〜3月

就農準備・ハウス建設 & 各種研修

1年目は、就農を間近に控えた先輩研修生のハウス建設や圃場(畑)整備を皆で手伝いながら、実践的な建設技術を学びます。2年目は、自らの就農予定地で圃場整備とビニールハウスの建設を完了させ、4月の独立就農・栽培開始に備えます。

新規就農者の体験談・生の声

アグリピアの研修制度を経て独立し、久万高原町で活躍する先輩農家のリアルな体験談です。

上村 友範 さん

上村 友範 さん(40代)

宮崎県出身(妻は松山市出身)
就農地:久万地区(直瀬)

栽培品目:夏秋トマト 20a、水稲 70a
経営形態:夫婦経営
【就農のきっかけ】

夫婦で以前から農業に関心があり、40歳を目の前に愛媛県内で就農可能な品目を調査。その中で久万高原トマトに出会い、先輩農家を数件訪問してその美味しさと栽培の魅力に惹かれて就農を即決しました。

【就農して良かったこと】

直瀬地区の方々がとにかく優しくて温かい。小さな町だからこそ個性的な人と繋がりやすく、生活が非常に楽しいです。美しい景色に毎日癒やされながら広い家に住むことができ、トマト栽培の奥深さを楽しんでいます。

【今後の目標】

反収13トン以上を安定して出荷できる栽培技術を確立すること。そして、トマト農家同士で栽培データを共有化し、地域全体の若手農家の所得を今より2割上げる仕組みを作りたいです。

「農家は知力、体力、行動力、判断力、コミュニケーション力、家族愛など、あらゆる総合力が試される非常にやりがいのあるフィールドです。一度きりの人生、全力で生きてみませんか。」

天野 桂造 さん

天野 桂造 さん(40代)

久万高原町出身
就農地:美川地区(御三戸)

栽培品目:夏秋トマト 32a(セレクト・グリーンフォース)
経営形態:家族2人経営
【就農のきっかけ】

実家がもともと久万高原町内でトマト農家を営んでいたことが、Uターン就農への直接のきっかけです。地元の産地ブランドを守る一翼を担いたいと考えました。

【就農して良かったこと】

苗づくりから土壌づくり、毎日の収穫、出荷に至るまで、すべての工程を自己完結できる点に大きなやりがいを感じています。何より日々の農作業自体がとても楽しく充実しています。

【今後の目標】

高品質なブランドトマトを常に高い水準で、安定して毎年育てられるようになること。一人前のトマト農家として地域を牽引できるよう、日々勉強を重ねています。

「農業はやればやるだけ、ダイレクトに結果として自分に返ってくる仕事。そこが難しくもあり、何よりも面白い魅力的な職業です。」

令和9年度 研修生募集要項

久万農業公園アグリピア研修センターでは、次世代の農業を背負って立つ意欲ある研修生を募集しています。

募集人員 3名以内
研修期間 原則2年間 (令和9年4月 〜 令和11年3月)
研修内容 夏秋トマト栽培技術(養液土耕栽培)、先進農家での実践実習、農業経営管理(簿記・パソコン等)
応募資格 ・心身ともに健康な方(家族帯同・妻帯者優遇)
・1週間程度の事前研修(8月推奨)を受講可能な方
研修終了後、久万高原町内に居住し5年間以上就農することを確約できる方
募集期間 令和8年4月 〜 10月末(事前研修等を実施するため、お早めにお問い合わせください)
選考方法 書類審査および面接審査(12月実施予定)
研修場所 愛媛県上浮穴郡久万高原町下畑野川甲500 久万農業公園内「アグリピア研修センター」

お問い合わせ・ご相談窓口

研修制度への応募や、事前相談・来園見学をご希望の方は、まずはお気軽に下記までお電話ください。

久万高原町役場 農業戦略課(農業公園係)

〒791-1201 愛媛県上浮穴郡久万高原町久万212

TEL: 0892-41-0040  |  FAX: 0892-41-0043

現地施設住所:〒791-1212 愛媛県上浮穴郡久万高原町下畑野川甲500(アグリピア施設直通電話は上記役場課まで)

久万高原クラインガルテン(市民農園)

雄大な山々に囲まれたアグリピアの隣で、ログハウス付きの貸農園を利用して野菜や花をご自身で育ててみませんか?初心者向けの栽培講習会や道具の無料貸出も充実しています。

クラインガルテンAタイプ
Aタイプ (8区画)

テラスデッキ付きログハウス & 広い農地

テラスデッキが付いた約9㎡のログハウスと、約53㎡の広々とした畑地がセットになった、最も充実した区画です。専用駐車場と、2区画で共有する散水栓を完備しています。

年間使用料:132,000円 (税込)
クラインガルテンBタイプ
Bタイプ (14区画)

ログハウス & 標準農地

約9㎡のログハウスと、約36㎡の扱いやすい畑地がセットになった人気の区画です。2区画で共有する散水栓を完備しています。日帰りでの野菜づくりに最適です。

年間使用料:93,500円 (税込)
マイガーデンタイプ
マイガーデンタイプ (40区画)

農地のみ (格安プラン)

ログハウスは付かず、約33㎡の畑地のみを利用できる格安プランです。4区画で共有する散水栓と日避けシェルター(簡易日よけ)が完備されており、手軽に体験できます。

年間使用料:11,000円 (税込)

充実の利用者サポート制度

栽培講習会 (月1回程度)

専門家による丁寧な営農指導が受けられるため、未経験者や農業初心者でも安心して野菜づくりに取り組めます。ガーデニング教室などの体験交流イベントも開催。

農機具の無料貸出

作業倉庫には耕運機(管理機)、鍬(くわ)、鋤(すき)、スコップなどが備えられており、無料で貸し出しています。重い道具を持参する必要はありません。

苗・肥料のあっせん & 代行

野菜の苗や肥料などのあっせん・販売を行っているほか、忙しい方や旅行時のための作業代行サービス(予約制・有料)も利用可能です。

町内施設の特別割引特典

クラインガルテンの契約者は、国民宿舎「古岩屋荘」の温泉入浴料や、町内の3つの文化施設(久万美術館・久万高原天体観測館・面河山岳博物館)の入館料が割引されます。

契約・お申し込みの流れ

契約期間は4月1日から翌年3月31日までの1年間(毎年度末に継続確認あり)です。年度途中からの契約や解約も相談可能です(途中契約の場合も3月末までの契約となります)。

1

現地見学

積雪や気候条件、区画の様子を確認するため、必ず現地を見学していただきます。

2

タイプの決定

A、B、マイガーデンの中からご希望の区画タイプを決定します。

3

申込書提出 & 契約

申込書を提出し、利用契約を取り交わします。電気の個別契約はご自身で行っていただきます。

4

お支払い & 利用開始

利用料を支払い、4月1日(または契約日)より野菜づくりをスタートします!

注意事項: 積雪・凍結地域のため、冬季(12月〜3月)は屋外水道を止水します。そのため、冬季の栽培は耐寒性野菜に限られます。また、ログハウス内にはガスや水道はなく、宿泊目的で設計された施設ではありませんのであらかじめご了承ください。

アグリピアの短期・観光農業体験

本格的な就農研修の前に、または週末のレクリエーションとして、アグリピアの温室や畑で手軽に体験できる農業プログラムです。

イチゴ狩り体験

春から初夏のイチゴ狩り体験 (春〜初夏)

アグリピア自慢 of イチゴ高設栽培温室で、人気の「さちのか」と、愛媛のオリジナル品種「あまおとめ」の収穫を体験できます。立ったまま楽な姿勢で摘み取れるため、お子様からご高齢の方まで快適に楽しめます。お土産用の特製イチゴジャムの販売も人気です。

どんぐりトマト収穫体験

「どんぐりトマト」の周年収穫体験

特徴的な細長いどんぐりの形をしたミニトマト「アイコ」の収穫を体験できます。ビニールハウスで徹底管理されて栽培されているため、年間を通じて安定した収穫が可能です。酸味が少なく極めて甘いトマトは、お子様のおやつにも最適です。

季節の花苗・野菜苗づくり

季節の花苗・野菜苗の植え付けと生産体験

アグリピアの花卉栽培温室では、春のプリムラ、夏のマリーゴールドやビンカ、秋冬のパンジーやビオラなどの季節の花苗や、5月の野菜苗の扱い方を学ぶことができます。担当者こだわりの多肉植物の栽培体験や、鉢植えづくりの講習会も定期的に開催されています。

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